事は、一本の緊急入電に始まる。
−相模原"エキシビジョンマッチ"ニテ、F・G現象ノ第二形態ト思ワシキ現象ニ遭遇セリ−
それは、所属元が変わった第11分室により、新たに編成されたOAK実験大隊の隊長に、紆余曲折の末に就任したゼーマン大尉によってもたらされたものだった。
先日F・G現象に付いての正式報告書を本部に送ったばかりであり、F・G現象は完全に終わったと誰しもが思っていた第11分室に衝撃が走った。

報告によれば、相模原地区ローカル戦の主戦場、『夢屠守』にて行われたランダムパートナーによる2on2にて、偶然組む事となったOAK実験大隊隊長のゼーマン大尉と同実験隊所属の全帯公中尉とのタッグチームが、決勝戦にてF・G現象に遭遇。当エキシビジョンマッチがサバイバルデスマッチルールであった事が災いし、F・G現象の新たな局面、即ち第二形態が白日の下にさらけ出される事となった。同実験大隊は発見した当日、OAK丸地下実験場にて第二形態の確認実検を実施。迅速にデータを算出した。 その結果得られた物は、F・G現象 第二形態とは置きグレやファニーランチャーまでもが炎を纏うようになったという衝撃的な現象であった。ただし、この実験において算出された数字は正確とは言えず、後日公式実験が行われ、データを取り直した。
最終的に第二形態に付いての正式報告書が作成されたのは11月12日であり、発見されてから実に2週間がたっていた。

クリムゾン現象 最終報告書

〜今回登場したOAK実験大隊 隊員の紹介〜

★ヴィガー・ゼーマン 大尉★
秘密実験に強制参加をさせられた後に行方不明となっていたが、突如復帰。新たに編成されたOAK実験大隊 隊長に就任した。

★ウォール・フランドル 特務曹長★
除隊を条件にある秘密実験に参加。負傷するも念願だったフリーランサーに戻り、契約社員として在籍している。OAK病院の隠れ院長でもある。

★グラシャル・ホッパー 伍長★
秘密実験に突然徴収された後、ゼーマン大尉に身代わりにされ、施設に送られた経験を持つ。だがその事に対して恨みを抱いておらず、逆に直翅目バッタ科からスズメ目ツバメ科にクラスチェンジし、マダムキラーに転職したと噂されている。実験隊きっての問題児だが、皆から愛されている。

★愉 癒兎 少佐★
監査部から秘密実験を任せられた後、新設されたP&D兵器工廠の工廠長に就任した。P&D兵器工廠では、特殊兵器の他に第二次世界大戦の兵器に付いて研究している。また、OAK丸地下実験場に近い事もあり、その補佐も行っている。

★全帯公 中尉★
OAK実験大隊のもう一人の問題児。本人は法学部に在籍しているとの事で、顧問弁護士としても期待されたが、食い逃げの異名を持つ彼の前にそれは幻想だった。
彼は他にも大阪にて家宅侵入・銀行で交換しなくてはならない不良紙幣の偽装仕様などの嫌疑が掛けられている。さらに公然猥褻罪の疑いも或というから目も当てられない。

★ハイド 技術仕官★
丸地下実験場を取り仕切る実験場長。実験を行う事を許す許さないは、上層部の意向に関わらず彼によって決まるために、実質上彼がOAK実験大隊の真の支配者といえる。


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